SUV好きであれば誰もが欲しいと思える車に仕上がっているレクサスの新型NXですが、お店に行くとなると、どうしても敷居は高くなります。(この時期は新型コロナ対応や新型LX対応でどうしてもNX目当てのお客さんは後回しにされがちなのもあります。)
スマホでコンフィギュレーターを使って比較ができればそれが一番なのですが、レクサスのコンフィギュレーターは、「思ったより安く買える」と思わせることに力を注いでいるため、あれもこれも省かれてしまっていて現実の価格が分かりません。そこで、管理人が考えた比較に役立つであろう情報を集めてみました。
1 コンフィギュレーターに足りないもの
大前提としてこの問題は避けられません。オンライン上のコンフィギュレーターで出る数字に加え、実際に見積もりを取った時に何が足されるのかをまとめました。※いずれもキリ良く概算値です。
- 諸費用 100,000円~(お住まいの地域によって差があります)
- 環境性能割/重量税 PHEV/HV……0円 ガソリンモデル……200,000円
- ドライブレコーダー 前方のみ……70,000円 前後方……100,000円
- ボディコーティング 100,000円
- フロアマット 純正品……93,500円 社外品……20,000円
このため、コンフィギュレーターと同じ設定でお店に組んでもらうと、ガソリンエンジンモデルであればおよそ60万円、電動化モデルであれば40万円が上乗せされます。びっくりしないように(゚д゚)!
2 新型NXの加速
兎にも角にもレクサスUSAの素晴らしいサイトからの引用をご覧ください。
実際には仕様が違っていたり、そもそもマイルとキロが違ったりはしますが、値段と加速力が見合っていないと損をした気になるもので、やはり0-100加速のデータは知りたいところ。60マイルは実際には100キロに満たず、96.5キロのため、105%に増やして考えてみます。
- 250は約8.6秒
比較されがちなハリアーの2リッターガソリンモデルに比べて少なくとも1秒強は速いようです。レギュラーでもハイオクでも良いという利点もあり、コスパはやはり高そうです。ハリアーのCVTと異なり8速ATというのも魅力ですね。明確な欠点は一切ありませんが、個性的な部分も一切無いのが強いて言うところの欠点でしょうか。 - 350は約6.9秒
一番の注目株ですが、0-100が6.8秒という数字があちこちで囁かれていますので、極めて正確な数値と思われます。このモデルのみ2WDが選べず、グレードもFスポーツのみ、それでいてハイブリッドモデルより約10万円安いという、色々な意味での戦略価格です。ただ正直なところ、アルファロメオのステルヴィオであれば低燃費のディーゼルモデルでも6秒台前半の加速が得られるので、スポーティーモデルでこの加速というのが価値に見合ったものなのかについては多少の腑に落ちなさも残ります。とはいってもアイドリング時の音も加速時の音も250より控えめで、そこはさすが最新型エンジンといったところ。 - 350hは約7.5秒
ハリアーハイブリッドがおよそ7.9秒ですので、ハイオクで走り、スペックも上回る分の性能を発揮しています。圧倒的な静粛性からの、いざ加速となればしっかりやかましく自己主張するエンジン音はもはやトヨタのお家芸ですが、そういったネガが他社に比べて恐ろしく低い水準に抑えられているので、小さなネガをわざわざ拾いにいかなければ、間違いなく完全無欠なパワートレインと言えます。節税となる点も踏まえると、やはりマストバイと言えるグレードでしょう。 - 450h+は約6.3秒
トノカバーを投げてしまう人の計測した数値とかなり近いです。しかしラグジュアリーカーにおいてプレミアムオーディオとパノラミックルーフを犠牲にするほどの価値のあるパワートレインなのかと言えば、そうでもないような気がします。結局RAV4でいいのかもしれませんし、プジョー3008ハイブリッド4であれば100万安くても6秒を切れます。
3 税金の差
PHEVとHVは環境性能割と重量税が0円になるため、おおよそ20万円の節約ができます。また、令和3年度の補正予算案がいつまで続くか、令和4年度に大型の予算案がつくのか、そもそもそれがPHEVに付くのかなどが不透明ですが、少なくとも現時点では、450h+には50万円の補助金が出る可能性があります。
4 無印は良品?
節約するのであれば当然視野に入ってくる無印……バージョンLやFスポーツの付かないモデルについてですが、こちらは一部オプションでも付けられない装備があるものの、目玉機能のeラッチは標準で付き、何より画面分割ができないせいでアホっぽく見えるくらい大き過ぎるナビ画面が、むしろ程よいサイズに収まっているので、人によっては充分に購入対象になり得るのではないでしょうか。ただ、小型ナビは3年後にネットワーク接続の年額契約をしないと使えなくなるようですので、そこは注意が必要です。快適性ではただ一点大きな問題点があり、シートヒーターもベンチレーションもオプションですら付けられないので、暑がり寒がりの方は無印を諦めざるをえません。
250では無印とバージョンLの価格差が88万円となりますが、350hになると、免税分の差額で68万円になります。ハイブリッドモデルを検討している場合は色々な我慢をして無印で購入しようとはせず、リセールが高くなるんだと開き直ってFスポーツを選んだ方が良いでしょう。250の場合は、幸い見た目はホイール以外あまり見分けがつかないので、最安値でレクサスに乗っているんだという楽しみ方も有り得るかもしれません。
5 いけずなリセール仕様
多くの情報サイトや動画でも言われていますが、手放すときにより高く売るためにリセール率も考慮にいれてグレード選びをしましょう。一般的にはボディカラーは白黒(通常の車の場合は白>黒の場合が多いですが、中古のレクサスが欲しい人はオラつきたい人である場合が多いのか、黒>白となっています。黒の中では、従来のレクサスでは比較的単色のブラックが支持されていますが、新型NXに限っては圧倒的にグラファイトブラックガラスフレークが人気のようですので、リセールにおいても差がつくかもしれません。
グレードは圧倒的にFスポーツが高く買われます。格好良いグリルの代わりに三眼と後席シートヒーター25万円分のお得なオプションが付いているバージョンLは、リセールの差でお得感がスポイルされてしまうことでしょうが、下取り値を支えるパノラミックルーフを付ける分の差額と考えると、FスポーツかバージョンLかの差は、今出費をするか次の買い替え時に出費をするかの差でしかないのかもしれません。
内装色は従来では赤のリセールが高くなります。新型NXの場合はバージョンL限定の明るい茶色のヘーゼル内装も高級車然としていて人気ですが、中古で買う人の気持ちになってみると、オラつけないから多分それほどの査定額アップには繋がらないでしょう。
パノラミックルーフは必須と言われています。パノラミックビューモニターも同様で、これらは付ける出費増よりも付いていないことの減額が大きくなります。
上記のものを踏まえて考えると、はやりいけずと言いたくなるグレード設定です。最安かつ高リセールを狙いたくても250にはFスポーツがありませんし、350にはFスポーツしかなくても、2WDモデルが選べません。(もしも350に2WDの無印が存在したら、およその価格が484万円となり、素晴らしく魅力的なモデルとなっていたでしょう。浮いたお金でエアロをバキバキに装着する人が続出して、プアマンズ・ウルスという異名を取ったかもしれません。)そういう試行錯誤の末に、半数以上の人が350hのFスポーツに落ち着いているようです。ちなみにお店でお勧めで組んでと言うと、ほぼ必ず黒の350hのFスポーツを組んでくれます。自分の欲しい機能を優先するか、圧倒的なリセールに身を委ねるか、はたまたいっそのこと、リセールに影響の無いあらゆるオプション(フロアマットすら)を除外し、250の無印を軽やかに乗りこなすか。ここは楽しくもある悩みどころです。
6 違いの分かるオーディオ?
今や納期が遅れる原因として悪名の方が上がっているマークレビンソンのプレミアムサラウンドシステムについては、相当な”カー”オーディオマニアでない限りは必要無いと考えます。(敢えて”カー”と付けたのは、オーディオマニアは雑音に包まれてしまう車内で良い音に拘ること自体を否定する人が多いからです。)
ジャガーランドローバーのメリディアンやボルボのバウワースアンドウィルキンスのように、素人でも分かるほど音が違うわけではないのは、標準のパイオニアのサウンドシステムの質の高さ故なのだと、逆に考えることにしましょう。
つづきます・・・
つづきません。2月7日よりレクサスNXは電動モデルの注文受付を停止し、改良版として販売を再開する予定のようです。ガソリンエンジンモデルもそれに追従することが考えられます。
現状いいくるまが1年以上先にもいいくるま足り得る保証が無いため、当サイトではレクサスNXの情報更新を停止します。